アフガニスタンの反政府勢力タリバンが首都カブールを制圧し、民主政権が崩壊したことを受け、日本政府は在留邦人の安全確保や日本大使館員の退避に全力を挙げた。一方、アフガン情勢の不安定化が懸念されており、タリバンの動向を注視。欧米諸国と足並みをそろえて対応する方針だ。
菅義偉首相は16日、タリバンへの政権移譲が見込まれるとの認識を示した上で、「米国などの関係国と連携して今、対応している」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
外務省では先週から、カブールの日本大使館員らの退避に向けた検討を進めていた。大使館には十数人の館員が勤務しており、国際機関などに勤める在留邦人も「若干名」(同省幹部)いるという。
在留邦人の安全確保とともに、国外退去に向けた作業を急いでおり、同省幹部は「退避希望者については段取りが付いた」と説明。別の同省関係者は「大使館は一時閉館になるだろう」との見通しを示した。
今後の焦点は、再びアフガンを統治するタリバンとの向き合い方だ。日本政府関係者は「今は手荒なことをしておらず、長い視野で見ないと何とも言えない」と指摘。ただ、アフガン政府関係者への迫害や女性の抑圧などが懸念されており、そうした状況になれば厳しい姿勢で臨まざるを得ない。当面はタリバン側の出方を見守る考えだ。
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