[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)はここ1週間ほどの間、銀行システムに資金を供給する一方で、各種金利は据え置いた。これは、不均等な景気回復を支援する方向に政策を転換する一方、潜在的なバブルやリスクを警戒していることを示している。
人民銀は20日、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場の大方の予想通り据え置いた。ただ、人民銀が9日に銀行の預金準備率を予想外に50ベーシスポイント(bp)引き下げたことを受けて、今回はLPRの引き下げを予想するトレーダーがこれまでより多かった。
マネーサプライを1兆元(1547億1000万ドル)程度押し上げる効果を持つとされる預金準備率の引き下げ措置と、中国経済の減速の兆しを背景に、政策緩和への思惑が高まっていた。
今回のLPRの据え置き決定に加えて、中期貸出制度(MLF)金利が先週、変更されなかったことは、中国当局が貸し出しや信用の拡大を推進する一方で、地方政府や不動産セクターに対する厳しい監視を維持し、本格的な緩和を避けていることを示唆しているとみられる。
ナティクシス(香港)のアジア太平洋担当エコノミスト、ゲイリー・ング氏は「(現在の)金融政策は今後の減速に対する予防措置。その一方で銀行セクターにも支援を行い、政府が支援したいと考えているセクターに実際に流動性を供給できるようにしている」と指摘する。
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