大手ゼネコンの大林組が、大分県九重町野上に建設していた水素製造の実証プラントが運転を開始し、18日、現地で式典があった。地熱発電の電力で水を電気分解し水素をつくる国内初の施設。同社は2024年3月まで実証作業を続け、供給先への陸送なども含めた水素製造の経済合理性を追求していく。
プラントは、大分地熱開発が山中に整備した1500平方メートルの敷地につくった。
125キロワットの地熱発電機を使い、製造過程でCO2を排出しないグリーン水素を重さ換算で1時間に1キロ製造できる。水素はトヨタ自動車九州やヤンマーパワーテクノロジーなどに出荷し、フォークリフトの燃料や燃料電池船の燃料に使ってもらう。
プラントでは単純に水素を製造するのではなく、外部の電力を使って水素が最も多くできるケースや、地熱発電だけで製造するケースを検証する。陸送する車両にGPSを搭載し、車の発着に合わせてプラントを効率よく運転する機能も試すという。
式典で同社の山本裕一グリーンエネルギー本部長は「価値の高い水素を製造し、脱炭素化に寄与する。地域資源を無駄なく使うモデルにもなるし、水素への理解が広まることもめざしたい」とあいさつした。(中島健)
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