イスラエルのナフタリ・ベネット首相は29日、8月1日から60歳以上の市民を対象に、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を開始すると発表した。ワクチンを3回接種するのは世界初の試み。
ベネット首相によると、3回目の接種の対象となるのは、少なくとも5カ月前に2回目の接種を受けた、60歳以上の市民。
9月に61歳の誕生日を迎えるアイザック・ヘルツォーク大統領が、30日にまず最初に追加接種(ブースター)を受ける。
イスラエルでは感染者が急増しており、感染力の強いデルタ株への懸念が世界中で高まっている。
ベネット首相は29日、「時間がたつにつれて免疫力が低下することが分かっている」と述べた。
「免疫力を再び高め、感染や重症化の可能性を大幅に減らすことが追加接種の目的だ」
首相によると、免疫が低下した約2000人がすでに3回目の接種を受けているが、重篤な副作用はなかったという。
現時点で追加接種を承認している国はほかにない。専門家は3回目の接種で感染者数が減らせるかどうかはまだ不透明だとしている。
イスラエル当局は先月、感染者の増加を受け、屋内でのマスク着用を再び義務付けた。
同国はパンデミック対応において世界で最も成功を収めている国の1つ。世界最速のペースでワクチン接種を進め、人口約930万人の半数以上が1回あるいは2回の接種を終えている。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、イスラエルではこれまでに86万9063人が感染し、6466人が死亡している(日本時間30日午前時点)。
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