2021年11月3日水曜日

気候危機、日本はGDP損失3.72%予測 朝日新聞社 - 朝日新聞デジタル - 2021年11月3日

  気候危機は各国にどのぐらい影響を与えるのだろうか。イタリアの研究機関の分析によると、対策が遅れると、主要20カ国・地域(G20)全体で2050年に国内総生産(GDP)の4%を失う可能性があるという。日本では農業や漁業、インフラや観光に影響があり、年間損失はGDPの3・72%に上るという。

 イタリアの研究機関「気候変動に関するユーロ地中海センター」(CMCC)が、各国の研究をもとに評価した。英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、温暖化対策の加速や、被害の軽減について議論が行われている。

 研究チームによると、G20のすべての国で、50年には熱波の期間が少なくとも10倍に延びる。アルゼンチンやブラジル、インドネシアでは60倍にもなるという。インドではコメや小麦の生産量が下がり、農家の収入が15%失われる。豪州では森林火災や沿岸の浸水、ハリケーンで保険料が上がり、不動産価値が6110億豪ドル(約52兆円)失われるという。

 G20全体で、2100年の損失はGDPの8%に達する可能性もあり、G20が受けた新型コロナによる経済損失の2倍に匹敵する。ただ、直ちに対策を取り、産業革命前からの気温上昇を2度に抑えれば、損失は2050年時点でGDPの0・1%、2100年時点で同1・3%にとどまるという。

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