環境NGOが温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選んだことについて、松野博一官房長官は4日の記者会見で「民間団体の活動の一つひとつにつき、コメントは差し控えたい」と述べた。一方で、日本が表明した途上国の支援策は高い評価を得ていると成果を強調した。
化石賞を出したのは環境NGOの国際ネットワーク「気候行動ネットワーク」(CAN)。理由は、英国での国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に参加した岸田文雄首相が2日、アジア地域への支援策として、未確立の技術を用いた火力発電所を活用する考えを示したことだ。
松野氏は会見で、「アジアにおける再生エネルギー導入は太陽光が主体となることが多く、安定的な電力供給のため、既存の火力発電を(発電時に温室効果ガスを出さない)ゼロエミッション化し、活用することも必要」だと話した。
ゼロエミッション化をめぐり、首相がCOP26で主張した石炭や天然ガスの燃料をアンモニアや水素に置き換える技術は開発途上で課題も多い。松野氏は「我が国が持つ技術で世界の脱炭素に貢献できるチャンスでもある。政府としては先導的な事業を展開する方針だ」との認識を示した。
また、日本が表明した途上国への温室効果ガス削減の資金支援を100億ドル(約1・1兆円)積み増す方針について、松野氏は「多くの参加国から高い評価と歓迎の意が示され、存在感を示すことができた」とした。(西村圭史)
0 件のコメント:
コメントを投稿