2021年1月25日月曜日
中国、新規海外投資先として世界1位に アメリカ抜く BBC News - BBCニュース - 2021年1月25日
2020年の世界の海外直接投資(FDI)において、中国がアメリカを抜いて最大の投資先国になったことが、国連機関が24日発表した報告書で分かった。
アメリカは昨年、海外からの新規投資が前年比でほぼ半減。世界トップの座から陥落した。
一方、中国は海外からの直接投資が前年比4%増に。世界経済において中国の影響力が増している状況が改めて明らかになった。
中国が「世界経済の中心」へ
国連貿易開発会議(UNCTAD)の年次報告によると、昨年の海外直接投資は中国に対するものが1630億ドルで、アメリカは1340億ドルだった。
2019年はアメリカが2510億ドル、中国が1400億ドル、新規の海外直接投資を受けていた。
中国は昨年、新規海外投資の受け手としてアメリカを上回ったが、海外投資の総額ではアメリカがいまだ、投資先として他国を圧倒している。
これは、アメリカが過去数十年間にわたって、国際的に最も魅力的な投資国だったことを反映している。ただ複数の専門家が、中国がアメリカに代わり国際経済の中心的な存在へと近づいていることが今回の報告で強調されたと指摘している。
イギリスのシンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター」(CEBR)は、アメリカと貿易戦争を続ける中国は、2028年までにアメリカを飛び越えて世界最大の経済大国になると予測している。
UNCTADの年次報告では、世界の海外直接投資の総額が昨年、前年比で42%減ったことも明らかになった。海外直接投資は通常、ある国の企業が外国の企業の経営権を合併や吸収によって握る形式をとる。
トランプ前政権の影響
アメリカに対する海外投資は、2016年の4720億ドルがこれまでのピークだった。対中国の海外投資はその年、1340億ドルだった。
それ以降、中国への投資額は連続して増加。一方、対米投資は2017年から減り続けている。
トランプ前政権はアメリカの企業に対し、中国での事業をやめ、アメリカ国内に事業拠点を置き直すよう奨励した。
中国の企業と投資家に対しては、安全保障上の理由を挙げて、対米投資の際には今まで以上に詳しく調査すると警告した。
新型コロナウイルスの流行が始まると、アメリカ経済は停滞した。それに対し中国の経済は、成長を加速させた。
今月公表された統計では、中国の2020年の国内総生産(GDP)は前年比2.3%の増加だった。主要国で唯一、経済の収縮を免れた。対米関係が緊張する中での素早い回復に、多くのエコノミストが驚いた。
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