2020年10月17日土曜日
イギリス政府、EUとの通商交渉は「終わった」とけん制 どちらがより困るのでしょう?BBC News - BBCニュース - 2020年10月17日
イギリスと欧州連合(EU)の間で進められている通商交渉が難航している。ボリス・ジョンソン首相はかねて、16日のEU首脳会議(サミット)を交渉の期限としていたが、英首相官邸は同日、「交渉は終わった」と強気の姿勢を示した。
首相官邸の報道官は、EUが通商協定の法的文書について協議する準備をしてこなければ、来週以降に交渉を続ける「理由がない」と発言。イギリス側のデイヴィッド・フロスト首席交渉官も、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官に対し、もはや来週以降に協議をする「根拠」がないと告げたという。
首相官邸は、イギリスとEUは来週以降、電話で協議を続けることで合意しているとしている。
一方、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EUの交渉チームは週明けにロンドンへ向かい、協議を「強化」するとツイートした。
イギリスとEUは現在、ブレグジット(イギリスのEU離脱)後の通商協定について協議を進めているが、漁業権や企業に対する政府補助金といった主要問題で溝が埋まっていない。
ジョンソン首相は16日朝の会見で、ブレグジットの移行期間の終わる来年からは、通商協定がないままEUと貿易する「準備」が必要だと話した。ただし、協議が決裂したとは言わなかった。
ジョンソン首相は、イギリスはEU・カナダ間の自由貿易協定を手本にした協定を望んでいるが、EU側はそれを真剣に考えるつもりがないと指摘。イギリスは「代替案」を模索しなければならないと述べた。代替案とは、オーストラリアとEUの間の、限定的な内容の協定を意味する。
一方、首相報道官は同日午後の会見で、EUに対して一層厳しい姿勢を示した。
報道官は「バルニエ氏が来週ロンドンに来る意味があるとしたら、何もかもイギリスに預けるのではなく、すべての問題について法的文書をもとに協議を加速させる用意がある場合に限られる。移動や運送の実務についても協議する必要がある」と述べた。
「そうでなければ、来る意味はない」
報道官はさらに、「通商交渉は終わった。EUは交渉の立場を変えたくないと言ったことで、実質的に交渉を終わらせた」と述べた。
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