2020年1月6日月曜日


© AERA dot. 提供 テヘランで反米スローガンを叫ぶ市民ら=1月3日 (c)朝日新聞社
 日本では正月気分も抜けきれないなか、世界では緊張が高まっている。米軍がイランの重要人物を殺害し、米国とイランの戦争の現実味が増しているのだ。「第三次世界大戦」のような大規模戦争につながりかねないとの懸念もあり、2020年はきな臭い幕開けとなった。
「もしイランが米国の人や施設を攻撃すれば、イランの52の重要施設を直ちに徹底的に攻撃する」
 トランプ米大統領は1月4日ツイッターでこう宣言した。空爆する準備は整っているとして、イラン政府に反撃しないよう圧力をかけるためだ。米大統領がツイッターで様々な相手に“脅し”をかけるのはいつものことだが、今回は深刻さが違う。
 今回の危機を理解するためには、米国とイランの長年の対立を理解しておく必要がある。1979年にイランの革命指導者ホメイニ師が親欧米だったパーレビ王政を打倒。欧米との関係が一気に悪化するなか、イランの首都・テヘランの米国大使館が過激派に占拠され、大使館員ら52人が1年以上にわたって人質となった。この事件をきっかけに米国とイランは断交し、双方に根深い不信感ができた。その後も、米国とイランはことあるごとに対立し、いまに至っている。
 トランプ大統領は今回攻撃するかもしれないとした重要施設数「52」は、人質事件の数を象徴していると説明。40年前の対立の原点がいまにつながっていることがわかる。 
  

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