2020年1月8日水曜日

イランによるアメリカ軍基地への報復攻撃で中東情勢の緊張が高まる中、金や原油価格が高騰。
早くも、われわれの暮らしに影響が出始めている。
日本時間の8日朝に決行された、イラン革命防衛隊によるとみられるミサイル攻撃の映像。
閃光(せんこう)とともに、爆音が鳴り響いた。
この報復作戦の名前は、アメリカ軍に殺害された司令官の名をとって、「殉教者ソレイマニ」。
これは、ミサイルの破片とみられる写真だが、着弾した直後なのか、2つに割れたミサイルから白煙が上がっている。
イランは8日、弾道ミサイル10発以上を発射し、イラクにあるアメリカ軍基地を攻撃。
イラク政府は、ミサイルは22発だったとしている。
衝撃は日本でも。
東京市場は全面安の展開となっていて、株価の下落を示す緑色の表示が並んでいる。
リスクを回避しようとする動きは、ほかにも。
東京都内の古物商。
ジュエリーケースの中には、金の指輪がずらっと並んでいる。
比較的安全な資産といわれる、金の価格が高騰している。
金の小売最大手の田中貴金属によると、8日の小売価格は、1グラムあたり6,149円。
1980年以来、およそ40年ぶりの高値に。
8日朝の攻撃も、9日以降の価格に反映されそう。
ゴールドプラザ・川崎拓鑑定士「金という物質自体が“有事の金”と言われているほど、世界情勢が悪くなったときに価格を上げるような物質。一連のこの事態に対して、1カ月以内に6,500円/g くらいまでいく可能性があります」
そして、私たちの生活に身近なガソリン価格。
中東産の原油の先物価格は高騰が続いていて、8日、東京商品取引所では、7カ月ぶりの高値水準に。
ガソリン“駆け込み客”は「中東問題で値上がりする前に」と話した。
8日に発表された、6日時点のレギュラーガソリンの店頭小売価格は、1リットルあたり150円10銭。
石油情報センターによると、今回の価格には、まだイランの報復攻撃などは反映されていないため、来週はさらに値上がりするものとみられている。
世界を揺るがす中東情勢。
海外の軍事メディアは、今回のミサイルが、イランが独自開発した射程200kmから300kmの短距離弾道ミサイル「Fateh-110」などと伝えている。
8日午後、演説を行ったイランの最高指導者・ハメネイ師は、「これは不平等だ。アメリカ側はうそつきだ。アメリカに平手打ちしてやった」などと述べ、集まった人々は「アメリカに死を! アメリカに死を!」と声を上げた。
ソレイマニ司令官の葬儀翌日というイラン側のスピード報復に、中東情勢にくわしい国際開発センターの畑中美樹研究顧問は「(イラン国内に)報復を求める、期待する声が大変多かった。何か反撃しないと、逆に失望を生んで批判されかねませんから。このタイミングでやらざるを得なかった、というところがあると思う」と話した。
現時点では、戦争を求めていないとするイラン側。
一方のトランプ大統領はツイッターで、「何も問題ない! われわれは、ほかの国々よりも圧倒的に強力で、十分に装備された軍隊を持っている!」と、強気の姿勢をアピールしている。
アメリカメディアは、インド洋ディエゴガルシア島のアメリカ軍基地に、射程1,000kmの巡航ミサイルを搭載可能な爆撃機、B-52Hが展開中だと伝えている。


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