2021年6月15日火曜日

G7が対中国で結束、招待国の韓国大統領は深入り避ける 読売新聞 - 読売新聞 - 2021年6月14日

【ソウル=上杉洋司】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、今回の先進7か国首脳会議(G7サミット)に招待国首脳として参加した。G7が対中国で結束を示す中、中国問題への深入りを避け、中韓関係に影響が及ぶのを懸念したことをうかがわせた。 文氏はサミット閉幕後、「保健や気候環境の問題で意見を交わし、国力にあった役割を約束した。多くの国が韓国との協力を望んでいる」とフェイスブックに投稿した。新型コロナウイルスのワクチン生産などでの協力を成果として誇ってみせたが、投稿では、中国に対する言及は一言もなかった。 今回のサミットで韓国は、表現の自由や法の支配の尊重などを求める「開かれた社会の声明」にG7各国などとともに署名した。もっとも、韓国政府関係者は、「特定の国を狙ったものではまったくない」とし、中国を意識した声明との見方を否定する。 サミットに先立ち、韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相と中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は9日、電話会談を行った。中国外務省の発表によると、王氏は米国のインド太平洋戦略について「断固として反対する」と述べた上で、「中韓両国は正しい立場を堅持し、政治的な共通認識に従わなければならない」と強調した。 会談で鄭氏は、「一つの中国の原則を堅持し、台湾海峡の両岸(中台)関係の敏感性を認識している」と応えた。韓国内では、経済的なつながりが深い中国に「クギ」を刺されたことが、サミット後の文氏の対応に影響したとの見方も出ている。

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