2021年6月25日金曜日
無名の墓751基、カナダ寄宿学校跡で発見 先住民団体が発表 BBC News - BBCニュース - 2021年6月25日🤷♀️
カナダの先住民団体は24日、サスカチュワン州にあった先住民の寄宿学校の跡地で、無記名の墓が751基見つかったと発表した。
カナダでは先月、ブリティッシュコロンビア州の先住民寄宿学校の跡地から子ども215人の遺骨が見つかったばかり。これをきっかけに、カナダにおける過去の先住民同化政策に厳しい目が向けられている。
多数の墓の発見について発表した、先住民団体「カウェセス・ファースト・ネイション」のキャドマス・デローム代表は、「ここは集団墓地の場所ではない。見つかったのは無記名の墓だ」、「カナダのこれまで(の発見)で最も人数が多い」と述べた。
墓が見つかったのは、「マリヴァル・インディアン寄宿学校」の跡地。同校はサスカチュワン州南東部の現在のカウェセス先住民居住区にあり、キリスト教ローマカトリック教会が1899年から1997年まで運営していた。
発見された墓がすべてこの学校に関係したものなのかは、まだ分かっていない。
カナダには19~20世紀、先住民の若者の同化を目的とした強制的な寄宿学校が130校以上あった。カナダ政府が資金を出し、宗教団体が運営していた。
劣悪な衛生環境が主な原因となって、6000人近い児童・生徒が死亡したと推定されている。子どもたちの多くは、安普請で暖房も覚束ない、不衛生な建物で暮らしていた。
学校関係者による身体的および性的な虐待から、逃げ出した生徒もいた
第1段階の区切りとして
「カウェセス・ファースト・ネイション」は先月、マリヴァル・インディアン寄宿学校跡地の墓地で、地中探知レーダーを使った墓の探索を開始した。第1段階の区切りとして24日、それまでの発見を公表した。
デローム代表は、墓にはかつて名前などが記されていたが、墓地を管理していたローマカトリック教会が、それらを消し去った可能性があると説明。今後の調査には同教会からの協力が得られると「楽観」していると述べた。
デローム代表はまた、技術チームがこの先、無記名墓の数と誰のものなのかを確定させると話した。
カナダのジャスティン・トルドー首相は声明で、今回の発見を「とても悲しんでいる」とした。また、「先住民が組織的な人種差別などの差別や不正義に直面してきたことを知り、恥じ入っている」とした。
同化政策下の寄宿学校
カナダでは同化政策の一環として、1863年から1998年までの間に15万人以上の子どもが家族から引き離され、各地の寄宿学校での生活を強制されていた。
校内では母語を話すことや、民族の文化活動を行うことが禁じられた。多くの生徒が不当な扱いを受け、虐待されたという。
寄宿学校の元生徒だったフローレンス・スパーヴィアー氏は24日の会見で、「私たちには魂がないと信じ込まされた」、「私たちはけなされ、ありのままの自分たちを嫌うようになった」と話した。
2008年に、先住民寄宿学校の歴史と影響を調査する「カナダ真実・調停委員会」が発足。多くの生徒が出身コミュニティーに戻らなかったことが明らかになった。同委員会は「文化的なジェノサイド」に相当する行為があったとする報告書を公表した。
教会は謝罪せず
カナダ政府は2008年、同化政策について公式に謝罪した。
一方、寄宿学校の約7割を運営していたカトリック教会は、まだ正式に謝罪していない。
先住民のリーダーらは、連邦や州の政府が資金を拠出した墓地の探索が進めば、今回と同様の発見があると見込んでいる。
ブリティッシュコロンビア、サスカチュワン、ニューブランズウィックの各州では、7月1日の「カナダの日」の祝典を、抗議を受けて中止する動きが一部の市で見られる。
カナダ初代首相ジョン・A・マクドナルドなど、寄宿学校に関わった人物の像の破壊や撤去も国内各地で起きている。
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