中国の国家衛生健康委員会は20日、新型コロナウイルスワクチンの中国本土内の接種回数が延べ10億回に達したと発表した。14億の人口をカバーするために供給体制が強化されて接種ペースが上がっており、衛生当局は年末までに18歳以上の人の7割の接種を見込んでいるという。
中国本土では緊急使用も含め、弱毒化したウイルスを使う「不活化」や細胞内に必要な物質を届ける「ウイルスベクター」などの手法を使った国産の7種のワクチンが認可されている。
接種回数は5月半ばに4億回に達したあと、1週間に1億回以上のペースで増加。各都市の街角に小規模な接種会場が次々に設置されるなど国家ぐるみの接種キャンペーンが張られる一方で、5月下旬に広州市でインドなどで流行する変異株(デルタ株)への感染者が見つかり、市民の危機感も強まっている。
ただ、市民からは地方政府や中国共産党の地方組織、職場などが接種率の高さを「成果」とするために接種を事実上強要する「接種圧力」を訴える声も上がっている。国家衛生健康委員会は5月末の会見で、そうした実態について「防ぐために何度も指導している」としている。(瀋陽=平井良和)
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