2021年10月16日土曜日

台風制御し電力へ“タイフーンショット”が描く未来 テレ朝news - テレ朝news - 2021年10月16日

  台風は、暖かい海水が蒸発し、上昇気流が生じ、中心部分の気圧が低くなり、勢力を強めていきます。そこで、目の中心に氷などをまき、温かい空気を冷やすことで、気圧の低下をわずかに抑え、勢力を落とすことができるといいます。

 筆保教授は、制御した場合、どのくらい勢力が落ちるか、進路が変わるかなどのシミュレーションを行っています。

 

 関東などに大きな被害をもたらした、2年前の台風15号で検証してもらいました。

 筆保弘徳教授:「目の中30~50キロ四方の所に、大量の氷をまきます」

 

 氷の量や位置など、条件を入力し、シミュレーションした結果、風速が2~3メートル落ちました。わずかでも勢力を抑えられれば、被害を大幅に減らせるといいます。

 筆保弘徳教授:「風速3メートル落ちただけでも、建物被害は30%ぐらいまで抑えられる。金額にすると、約1800億円の軽減になる。もっと勢力を抑えられる方法が見つかる。それを始めるのが今から」

 

 シミュレーションのモデルとなった、千葉県鋸南町。爪痕は今も残っています。

 『タイフーンショット計画』で未来は変わるのでしょうか。

 筆保弘徳教授:「苦しんでいる人たちを助けられるか、挑戦しなければという思い。台風の研究をしている以上は、絶対にやらないといけないという使命感が強い」

 

 制御をするだけでなく、台風が持つエネルギーを有効活用しようという研究も進んでいます。

 横浜国立大学の満行泰河准教授によりますと、台風のエネルギーは膨大で、勢力の強い台風だと、日本で消費されるエネルギー約8年分に相当するといいます。

 

 まだ実験の段階ですが、例えば、台風の風を利用して、無人船のスクリューを回転させて発電し、台風の影響で停電が起きた時に、台風のエネルギーで発電した電気を使う構想もあるといいます。

 満行准教授は「2050年までに台風の脅威を恵に変えたい」と話しています。

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