2021年7月11日日曜日

 ワクチン提供と資金提供での公約は、歓迎すべきことです。しかし現実に目を向けてみて下さい。世界人口の70%がワクチンを接種してパンデミックを終わらせるためには、10億回ではなく、少なくとも110億回分のワクチンが必要なのです。寄付や善意では実現しません。

 

必要なのは、歴史上最大となる世界的な公衆衛生の努力です。

G20に求められるのは、主要なワクチン製造国と国際金融機関の支持を取り付け、全ての人、全ての場所に届く世界的なワクチン接種計画を早急に実施することです。

財政破綻の危機に直面している国に支援を


2つ目は、債務不履行の危機に瀕している国々への経済支援です。

 

富裕国は、新型コロナウイルス危機を乗り越えるためにGDPの28%相当を費やしてきました。しかしその数字は中所得国で6.5%にとどまり、後発開発途上国では2%未満です。

今、多くの開発途上国は債務返済のコストで大打撃を被っています。同時に国内予算は抑えられ、徴税も難しくなっています。

 

パンデミックで、新たに世界の約1億2000万人が極度の貧困に陥ろうとしていますが、そのうちの4分の3は中所得国で暮らす人々です。

そういった国々は、財政破綻を免れ、力強い回復に投資するための助けを必要としています。

 

国際通貨基金(IMF)は、財政難に苦しむ国々に資金を増額する最も効果的な方策である「特別引出権(SDR)」を通じて介入し、6500億ドルを配分しました。富裕国は、その未使用分を低所得国や中所得国に割り当てるべきです。そうすることで意味ある連帯の方策となります。

G20がこれまでに、債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)や債務措置に係る共通枠組などに取り組んできたことを、私は歓迎します。しかしそれでは不十分です。

 

必要とする全ての中所得国の債務を救済し、民間貸付業者も同等の支援を行うべきです。

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