2021年7月26日月曜日

 【ワシントン=大越匡洋】イエレン米財務長官は23日、8月からの連邦政府の債務上限の復活を控え、万一、米国が債務不履行(デフォルト)に陥れば「米国経済と米国人の生活に取り返しのつかない損害を与える」との声明を公表した。議会上下院に対し、債務上限の引き上げや適用停止の延長などの対応を早急に講じるよう要請した。

2019年に議会が決めた債務上限の一時適用停止は7月末に期限を迎える。議会が対策を講じなければ政府は8月から借金を増やせなくなる。イエレン氏は声明で新型コロナウイルス禍で不確実性が増し、財務省が手元資金をやりくりする臨時措置は「いつまで続けられるか具体的な見積もりを出せない」と指摘した。

そのうえで「8月の議会の休会が終わった後、すぐに現金や臨時措置が尽きるシナリオもある」と危機感を示した。10月1日だけを例にとっても国防総省関連の退職金など多くの義務的な支出があり、手元資金は約1500億ドル減ると訴えた。

10年前の夏に債務上限問題への対応の遅れから米国の信用格付けが引き下げられた事例を挙げて「義務を果たせなくなる恐れがあるだけでも有害な影響をおよぼす」と力説。「議会が一刻も早く行動を起こし、米国への信頼と信用を守ることを謹んで要請する」と、上限の引き上げや一時適用停止に超党派で取り組むよう求めた

日本経済新聞より引用(2021年7月24日)

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