2021年7月10日土曜日

全世界的に流行しているJUUL(米国の無煙たばこ、燃やさないニコチン入りたばこ)ここに麻薬を入れる❓

 ソン氏に北朝鮮の金満家が躊躇なく投資した理由は「JULL」の持つ利便性だった。

 北朝鮮の人々は麻薬を使う時、タバコの中に粉を混ぜるか、「象」と呼ばれる吸入用器具を使用する。ガラス管で麻薬の吸い込み器具の模様が象の鼻の形をしていることから名付けられた。ちなみに、麻薬を吸う時は「象をしよう」という隠語が使われる。

米国産「JUUL」を凌駕した理由

 

 ソン氏が開発した液状麻薬は北朝鮮の人々を魅了した。対麻薬用「JUUL」である「JULL」が北朝鮮に持ち込まれた時、真っ先に反応したのは平壌の高官とその子弟だった。

 本家と同様、「JULL」は手のひらに収まる薄い電子タバコで、傍目には電子タバコを吸っているように見える。少なくとも、白昼堂々と道端で麻薬を吸入しているようには見えない。

 

 彼らはソン氏の「JULL」を「ヤギ」と呼んだ。ヤギはタバコを吸う人につけられるニックネームで、「象」が「ヤギ」に化けたのだ。持ち込んだソン氏ですら驚くほど「ヤギ」は飛ぶように売れた。

「ヤギ」が売れ始めると、北朝鮮の貿易会社がオリジナルの米国産「JUUL」を持ち込んだ。中国製のフェイクではなく、オリジナルの純正「JUUL」だと宣伝したが、失敗に終わった。

 その理由は液状麻薬である。ソン氏が持ち込んだ「JULL」は液状チップが充填できるように作られていた。充填する液状麻薬の味もオリジナルの特注品だ。それに対して米国製は液状チップをその都度買わなければならない。

 

 ソン氏は「JULL」本体の販売より、液状麻薬の充填で稼いだお金の方が多かったという。

 このようにしてソン氏は、北朝鮮の麻薬需要に応じた「ヤギ」で大儲けした。「興夫伝」は善行による「テバク」だが、ソン氏は「テバク」といえるのか。考えるべき問題である。

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