2021年7月9日金曜日

五輪無観客で900億円が水の泡 東京で4度目の緊急事態、見込んだチケット収入はパー 飲食&観光業、復調気配も消えた…zakzak - 2021年7月8日

  政府は8日夕、東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令することを決める。期限は8月22日までで、今月23日に開会式を迎える東京五輪の都内会場は無観客とする方向だ。都が当初見込んでいた900億円のチケット収入はパーになりそうだが、酒類を提供する飲食業や、復調の兆しもあった観光業への打撃はより深刻だ。

 

 政府は蔓延(まんえん)防止等重点措置を延長することで、5000人を上限に観客を入れることを模索していたが、東京の7日の新規感染者が920人まで急増したことで断念した。65歳以上の感染者はわずか29人で、ワクチンの効果は現れているが、「40~50代の重症者が増えている」と強調した専門家の意見を受け入れた。

 東京の宣言発令に伴い、政府、都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議で都内会場の無観客を最終決定する。東京周辺の自治体にも広がる可能性がある。

 

 無観客開催により、都が当初見込んでいた900億円のチケット収入はメドが立たなくなったが、失ったものはそれ以上に大きい。

 スポーツライターの小林信也氏は「これまでの経緯や国民の意見を踏まえ、無観客という選択をせざるを得ない状況だが、政府やIOCだけでなく、国民ももう少し前向きに物事を考えるべきだったのではないか。コロナ禍の不満を五輪にぶつけている人も多いが、スポーツの力を軽視しているようにも思える。選手はどのような状況下でもプレーするだろうが、観客との呼吸でパフォーマンスが向上する競技も多い」と指摘した

 宣言対象地域では、酒類を提供する飲食店に対し引き続き休業を要請し、酒類提供は原則停止となる。

 

 都内では6月20日に宣言が解除され、午後7時までなどの条件付きながら酒類の提供が認められるようになったばかりだった。再度の「禁酒令」は死活問題だ。繁華街では夜間も酒類を提供する店もあり、宣言発令後も要請に応じない店は増えそうだ。そこに若者が出かけて感染が広がる構図となれば、宣言が有名無実化する懸念もある。

 観光業も復調の気配が見えていたが、東京が宣言を発令し、沖縄県も8月22日まで宣言を延長、埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県の重点措置も延長されるため、再び厳しい状況に追い込まれそうだ。

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