2020年11月3日火曜日

コロナ中国ワクチン1番良い!?ブラジル大統領「国民は誰もモルモットにならない」…中国ワクチン購入巡り州知事と対立 読売新聞 - 読売新聞 - 2020年11月3日

 【リオデジャネイロ=淵上隆悠】中国企業が開発中の新型コロナウイルスワクチンの購入を巡り、ブラジルでジャイル・ボルソナロ大統領とサンパウロ州知事が対立している。2人は次期大統領選で争う可能性があり、ワクチンが「政争の具」となっている。  ワクチンは、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が手がけ、ブラジルで最終段階の臨床試験が行われている「コロナバック」だ。  開発に協力するサンパウロ州政府は10月、9000人を対象に7月から始めた試験で、深刻な副作用は報告されていないとの途中経過を発表した。4600万回分を9000万ドル(約95億円)で購入する契約も、すでに結んでいる。ジョアン・ドリア知事は、「世界で最も安全なワクチンだ」と強調し、接種の義務化についても言及している。  ボルソナロ氏は、ドリア氏の主張に否定的だ。ワクチンの安全性に疑問を投げかけ、「ブラジル国民は誰のモルモットにもならない」と訴えている。保健相が10月20日に州知事らとの会議で交わした購入に関する約束も、翌日には撤回させた。  ボルソナロ氏はかねて中国には批判的だが、今回の対立は国内の政治的な争いのようだ。ドリア氏は2022年の次期大統領選に出馬する意欲があるとされ、再選を目指すボルソナロ氏としては、政敵に実績をアピールさせたくないところだ。  ボルソナロ氏は、サンパウロ州政府が出した外出自粛要請について、「ブラジルを壊している」と批判し、ドリア氏が、「私たちはボルソナロウイルスとも戦っている」と反論するなど、これまでもさや当てがあった。  今回の対立にからみ、ボルソナロ氏の支持者は1日、サンパウロでデモを実施し、「ドリアと中国ワクチンは出て行け」などと書いた横断幕を掲げた。

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