2020年11月15日日曜日

タイ国王、国内の団結求めるメッセージ 「妥協の国」強調  毎日新聞 - 毎日新聞 - 2020年11月15日

タイのワチラロンコン国王は14日、バンコク市内のイベントに出席し、国内の団結を求めるメッセージを発した。ロイター通信によると、国王は支持者から差し出された写真の裏に「よく考え、善を行い、希望を持ち、耐えなさい。タイ人として団結しなさい」と書き記したという。王室支持者と反体制デモ隊の対立の解消を呼びかけたとみられる。  バンコクでは不敬罪の廃止や王室財産の透明化といった王室改革とともに、プラユット首相の退陣を求める反体制デモが継続中。国王夫妻は14日、バンコク市内で開かれた地下鉄開通式に出席したが、デモ隊は移動中の夫妻の車列に向かい、独裁への抵抗を意味する3本指を掲げるなど、抵抗姿勢を取り続けている。  反体制デモについて王室は公式コメントを出していない。だがデモ隊が王室批判を強めるのに従い、国王の言動が報じられることが増え、その真意を含め、さまざまな臆測を呼んでいる。  1日には、欧米の記者に反体制デモの参加者にかける言葉を問われると、国王は「ノーコメント」としたうえで「全ての人を同じように愛している」と返答。王室改革で歩み寄りの余地があるのかを聞かれると「タイは妥協の国だ」と答えた。  10日には東北部ウドンタニ県を訪問し、県知事へのメッセージとして「私たちはみな、互いを愛し、大事に思っている。国を大事にし、国の繁栄やタイらしさを守るために助け合おう」と記した。今回のメッセージもその流れとみられる。【バンコク高木香奈】

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