2020年11月21日土曜日

アント・グループ上場止めた習近平 澁谷 司(アジア太平洋交流学会会長

習近平主席の“鶴の一声”でアント・グループIPO延期が決定。 ・中央弁公庁は「新時代の民間経済統一戦線の強化に関する意見」を公表。 ・習近平政権、民間企業人に共産党イデオロギーを学び、実行させるねらい。 今年(2020年)11月3日、アリババ集団傘下の金融会社、「アント・グループ(螞蟻科技集団)」は、香港と上海で同月5日に予定していた新規株式公開(IPO)を突然、延期すると発表した。前日(2日)、アリババ創業者、馬雲(ジャック・マー)は金融当局から事情聴取を受けていた。 金融とITが融合したフィンテック企業、「アント・グループ」は利用者10億人のスマートフォン決済アプリ「支付宝(アリペイ)」(中国最大のオンラインモール淘宝網の公式決済)を運営している。同グループは公募価格ベース(2市場)で約345米億ドル(約3兆6225億円)を調達した。これは、サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」による史上最大のIPO、294億米ドル(約3兆870億円)を上回る見通しだった。「アント・グループ」の上場には、投資家から3兆米ドル(約315兆円)の応募があったと言われる。だが、「アント・グループ」上場延期のため、アリババの株価が一時10%近くも下落した。 さて、米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、この上場延期劇は、習近平主席の“鶴の一声”で決まったという。 最近、馬雲はイノベーションを通じて中国金融問題の解決を支援したいと述べた。 また、馬は「リスクのないイノベーションは、イノベーションを阻害する。リスクをゼロに抑えるが最大のリスクである」とも語った。中国の金融規制こそが科学技術の革新を妨げていると当局を批判したのである。 習近平主席がこれに激怒したという。そして、習主席は「アント・グループ」のIPO延期を決定した

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