2021年11月7日日曜日

グレタさん痛烈「リーダーは抜け穴作り利益」「世界は火の海」毎日新聞 - 毎日新聞 - 2021年11月6日

 「COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が失敗だということは周知の事実。これまでと同じ方法では危機を解決できないことは明らかだ」。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(18)が5日、英スコットランド・グラスゴーでの大規模デモで、気候変動対策がなかなか進まないことを痛烈に批判した。

 英紙インディペンデントによると、5日のデモには世界各地から集まった約2万5000人が参加。グレタさんは若者らと市街地を行進した後、市中心部の広場で演説した。

 COP26では1、2日、異例の首脳級会合が開かれ、インドのモディ首相が「2070年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明するなど、新たな目標や途上国支援策を発表した国もあった。また議長国・英国は、46カ国・地域が石炭火力発電の段階的廃止に関する声明に賛同したと発表するなど、連日会議の「成果」をアピールしている。

 だが、グレタさんは「世界のリーダーたちは積極的に抜け穴を作って、自分たちが利益を得るための枠組み作りをしている」と非難。環境に配慮しているように見せかけることを指す「グリーンウオッシュ」という言葉を使い、「COPはリーダーたちが美辞麗句を並べたり、格好のいい目標を発表したりするPRイベントに成り下がっている。北半球の先進国によるグリーンウオッシュ祭りだ」と切り捨てた。

 気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」は産業革命前からの気温上昇幅を「1・5度に抑える」という努力目標を掲げる。だが、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8月に公表した報告書で、地球温暖化は人間活動が原因だと断定し、今後20年間で気温上昇幅が1・5度に達する可能性があると指摘する。

 グレタさんは「権力者は幻想に満ちたバブルの中で暮らし続けることができるが、世界は文字通り火の海で、人々は気候危機に直面している。私たちは世界がこれまで経験したことのないような形で今すぐ、徹底的に温室効果ガス排出を削減しなければならない」と訴えた。

 6日にはデモ「グローバル気候マーチ」が世界各地で予定されており、グレタさんもグラスゴー市内のデモに参加する。【グラスゴー信田真由美】

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