2021年1月4日月曜日

中西経団連会長「2021年はコロナ克服し、新たな成長加速を」 毎日新聞 - 毎日新聞 - 2021年1月4日

 経団連の中西宏明会長は毎日新聞などのインタビューにオンラインで応じ、「新型コロナウイルスを克服して、新たな成長路線を加速させる年にしたい」と2021年の抱負を述べた。【聞き手・土屋渓】  ――20年は新型コロナが経済に大きな影響を与えました。21年の日本経済や景気をどうみますか。  ◆国を挙げ、経済を総動員して何とかコロナ禍を克服する年になる。ワクチン接種は一定の範囲まで広がらないと効果は出てこない。(景気回復に)時間はかかると思うが、克服はできるだろう。  ――20年はテレワークが一気に広がりました。新たな働き方は感染が収束に向かっても定着しますか。  ◆ITツールを使って(オンライン会議などで)効率的に会話をできるようになった。私は以前海外に年間20回程度出張していたが、正直大変だ。現在は300人ほどの集会もツール上で簡単に実現している。1年前は誰も予想できなかったが、日常的な対話や作業でも利用できると皆が認識できた。この流れが後退することはありえない。  ――経団連会長の任期(22年5月ごろ)までに達成したいことは何ですか。  ◆デジタルトランスフォーメーション(DX)は、日本の競争力強化で一番大事だ。単純に安くて良いものを作れば売れる時代ではなくなった。科学技術中心に新たな価値をつくり上げ、世界に貢献できれば生産性も上がる。その実現に向けて(人工知能やロボット、ビッグデータを社会や産業に取り入れる)ソサエティー5・0や(持続可能な開発目標の)SDGsに重点を置いて活動したい。女性管理職ら多様な人材の登用も重要であり、経営者と広く共有していきたい。  ――50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする政府目標に向けて、原発はどうあるべきですか。  ◆11年の東京電力福島第1原発事故以降、議論を凍結してしまった。当時はまさか10年後も我々(会長を務める日立製作所)が造る沸騰水型軽水炉の原発が一基も再稼働しないとは想定していなかった。原子力は人類の知恵だ。うまく活用しない手はない。小型の原発は建設コストが安くて安全性も増すが、他国の方が技術は進んでしまっている。(原発利用の)議論をやめてしまうと日本は世界からはるかに遅れてしまう。

0 件のコメント:

コメントを投稿