2020年9月3日木曜日

国内・海外ニュース 途上国債務を21年末まで猶予 G20、1兆円超負担軽減へ  2020/08/29 21:16 20カ国・地域(G20)は29日、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で大きな打撃を受ける途上国に対し、少なくとも2021年末まで債務の返済を猶予する方向で調整に入った。既に今年4月、20年末までの支払い猶予を決めたが収束の兆しがなく、世界経済への懸念から一段の延長が必要と判断した。猶予総額は5月から21年末までで100億ドル(約1兆円)を超す見込みだ。  10月の財務相・中央銀行総裁による定期会合で正式決定する見通し。  日本は2国間の政府開発援助(ODA)などを通じ、アフリカやアジアの低所得国へ多額の貸し付けを実施している。世界銀行などは新型コロナが「第2次世界大戦以降、最も深刻で世界的な不況を引き起こした」と指摘。低所得国の財政負担を和らげ、感染症対応を優先する狙いがある。  日米欧など先進7カ国(G7)は支払い猶予の実行に際して、途上国が中国から借り入れる債務の情報公開も要請している。先進国側も新型コロナ対策で歳出拡大が続き、途上国をさらに長期間支援するのは難しい判断も迫られそうだ。  今回対象となるのは、1人当たり国民総所得(GNI)が一定額以下であるアフガニスタンやエチオピアなどの低所得国73カ国。43カ国が8月下旬時点で、20年末までに期限を迎える債務の元本や利子50億ドル超の返済猶予を要請した。  国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、20年の成長率は先進国がマイナス8%、新興国や途上国がマイナス3%と予測。いずれもが同時に景気後退に陥るのは1929年に始まった世界恐慌以来初めてで「共倒れ」(IMF関係者)の恐れがある。  債務の返済猶予だけでは不十分との声もあり、国連貿易開発会議(UNCTAD)は途上国向けに2兆5千億ドル規模の経済支援を主張。G20でも債務減免が今後議論される可能性もある。(ワシントン、東京共同)

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