2020年9月10日木曜日

ブルームバーグ): 台湾を訪問する米当局者と関係を持つ企業に制裁を科すとの中国の新たな警告は、米国との制裁合戦で中国側の分の悪さを示唆している。中国政府は国内なら意のままだが、世界はドルが支配している。  トランプ政権はこの数カ月、10人以上の中国当局者に対して制裁を発動し、多くの米企業へのアクセスを制限した。一連の措置で香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はクレジットカード利用で一苦労したり、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によれば香港警察の信用組合は推定14億米ドル(約1490億円)相当の資産を中国の銀行に移さざるを得なかった。 香港行政長官、クレジットカード利用に一苦労-トランプ政権の制裁後  一方、マルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両米上院議員らに対して中国が警告していた「断固たる対抗措置」の内容はまだ米国側に伝わってきていない。7月以降に制裁が科された米国人はいずれも中国では歓迎されないだろうと想定されるが、具体的な通告はない。 米中の制マルコ・ルビオ米上院議員  中国はトランプ政権との対立激化のリスクを最小限に抑えるため、自らの対応を調整しているものの、国際金融におけるドル支配によって制限も受ける。国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、7月のドルの世界での決済シェアは約40%。対する人民元は2%弱にとどまる。このため、中国の国有銀行を含め多国籍の銀行が米制裁に従わないというのは難しくなっている。  中国側の最強の武器は引き続き自国の広大な市場へのアクセス阻止であり、共産党機関紙・人民日報系の新聞、環球時報の胡錫進編集長は台湾を訪れる米当局者と関係を持つ企業を対象にこの措置が検討されていることを明らかにした。裁合戦、ドル支配で米国優位-中国国有銀も従わざるを得ず Kari Soo Lindberg、Nick Wadhams、Jenny Leonard - Bloomberg - 2020年9月10日

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