2020年7月23日木曜日
中国外務省の汪文斌副報道局長は22日の定例会見で、米国政府がテキサス州の在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を要求したことを明らかにした。中国側は国際法違反として撤回を求めており、「米国が押し通すなら断固とした対応を取る」と報復を示唆した。
閉鎖を求めた米側の意図は不明だが、汪氏や中国メディアによると、要求は21日に出され、現地時間24日午後4時までに職員が退去するよう求めたという。
汪氏は会見で「突然の要求であり、中国に対する一方的な政治的挑発だ。米国は中国の外交官や留学生を脅したり個人の電子機器を没収したりしてきたが、領事館の閉鎖は前例のないエスカレートした行為だ」と強く非難した。
また、昨年10月と今年6月にも中国外交官への郵便物が開封され、公務の物品が押収されていると指摘。「米国側の不当な非難と扇動により、中国外交官は死の脅威さえ受けている」と対応を求めた。
米国務省のオルタガス報道官は22日、総領事館の閉鎖を命じたことを認めたうえで「米国の知的財産と米国民の個人情報を守るためだ」と明らかにした。オルタガス氏はまた、「ウィーン条約は、外交官が派遣された国の法律を尊重し、国内の問題に干渉しないことを定めている。米国は、中国の不公平な貿易慣行などを認めないことと同様に、中国による主権侵害や米国民への脅しを認めない」とも明らかにし、同領事館が関係する活動が理由であることを強く示唆した。
一方、ヒューストンの地元メディアは、21日に総領事館の敷地内で火災が起きたと伝えた。地元メディアによると、文書が燃やされているという目撃情報をもとに、消防や警察が現場に向かったが、敷地内には入れなかったという。
これに対し、汪氏は会見で「総領事館は正常に動いている」と述べ、失火ではないと強調した。
同総領事館は、米中の国交が正常化した1979年に設置された。(北京=冨名腰隆、ワシントン=大島隆)
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