2020年7月30日木曜日

 香港選挙管理当局 穏健派含む民主派12人の立候補を禁止 毎日新聞 - 2020年7月30日

香港の選挙管理当局は30日、立法会(議会)選挙(定数70、9月6日投開票)に立候補を届け出た民主活動家の黄之鋒氏(23)ら民主派12人の立候補を禁止した。中国が香港の統制を強化するため制定した国家安全維持法(国安法)に反対していることや、政府が立法会に提案する議案を否決すると表明していることなどを理由とした。さらに多くの民主派候補が出馬禁止に追い込まれる可能性がある。  2016年は「香港独立」を視野に入れた主張をしたとして急進派の6人が出馬を禁じられたが、今回はこれを大きく上回る過去最大の規模。穏健的な民主派も出馬を認められなかった。憲法に当たる香港基本法で保障された被選挙権は、形骸化が顕著になっている。ポンペオ米国務長官は、立法会選が「自由で公正な形」で実施されるよう要求しており、米国は中国への圧力を更に強めそうだ。  民主派は、立法会選で過半数の議席を獲得し、政府提出の予算案を否決するとの目標を掲げている。選管当局は、候補者には「香港政府に忠誠を誓う」ことが義務づけられていると指摘。「予算案の否決」という目標を掲げる候補に出馬の資格はないと判断した。この基準を当てはめれば、大半の民主派候補は今回、出馬できないことになる。  香港政府は30日の声明で、香港独立の主張や、外国の政府や組織と連携して香港政府の業務に干渉する行為も出馬禁止の理由になるとした。  民主派は共倒れを防ぐための予備選を7月11、12日に実施し、当初目標を大きく上回る約61万人が投票した。黄氏は30日、ツイッターで「61万人が投票したにもかかわらず、北京はかつてない大規模な締め付けを行った」と香港政府の後ろ盾である中国政府を批判した。【香港・福岡静哉】

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