2019年12月12日木曜日


 11月22日に参議院本会議で可決された「外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)」が、はたして投資家にどのような影響を与えるのだろうか。改正される外為法に関してカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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 新たな外為法は、海外機関投資家の姿勢を変化させる可能性があり、株式市場への影響も考えられることなので、トレーダーは頭に入れておいたほうがよいでしょう。
 現行の外為法は、安全保障等の観点から外国の投資家が日本に出資する場合の規制として、設けられています。外国人投資家が電力業や通信業等、国に指定された業種に関する日本の上場企業の株式を10%以上取得する場合、政府へ届出を事前に提出することが義務付けられています。
 改正予定の外為法では、該当の上場株式を1%以上取得すると、上記のプロセスを行う必要が発生します。一方で、経営に関与しない単純なポートフォリオ投資なら事前届出と審査は免除されます。
コーポレートガバナンス(企業統治)が日本でも叫ばれる中で、それと逆行するような法案が通過したことに、どのような意味があるのでしょうか。海外投資家による日本への投資資金は、ポートフォリオ投資の一環で流入しているフローも多く見られるので、この点だけを考えると日本の株式市場に対して影響はさほど大きくならないのでは、という見方もあるかもしれません。
 しかし海外投資家はコーポレートガバナンス等の企業統治体制や組織構成を気にする傾向があります。新たに制定された法律で、海外の物言う株主が入りにくい環境となり、日本の伝統的な企業統治が多く残存してしまうと、外国人投資家が日本から離れてしまう懸念も考えられます。改正外為法の施行は2020年春の見通しですが、日本市場にどこまで影響があるか、海外投資家の動向は注視しておきたいところです。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)

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