2019年12月28日土曜日


【モスクワ=工藤武人】タス通信によると、ロシアのショイグ国防相は27日、最新の極超音速兵器「アバンガルド」の実戦配備を始めたとプーチン大統領に報告した。核搭載可能なアバンガルドは米国のミサイル防衛(MD)網では迎撃困難とされ、米露間の核軍縮を巡る協議に影響する可能性がある。
 アバンガルドは、弾道ミサイルの先端部に装着して発射後、上空で切り離され、グライダーのように音速の20倍(時速約2万4500キロ・メートル)超のスピードで滑空飛行するとされる。露中部オレンブルク州の部隊に配備されたとみられる。
 2021年に期限切れとなる米露間の新戦略兵器削減条約(新START)を巡り、ラブロフ露外相は最近、アバンガルドなどを将来的に新STARTの監視下に置く用意があることを表明し、米国に延長合意を呼びかけている。ロシア側には最新兵器開発の進展を誇示し、米国を揺さぶる狙いがあるとみられる。

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