2021年1月8日金曜日

米議会、バイデン氏の大統領選勝利認定-トランプ氏は秩序ある移行表明 Josh Wingrove、Ari Natter、Billy House、William Turton - Bloomberg - 2021年1月8日

(ブルームバーグ): 1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。 米議会は7日早朝、民主党ジョー・バイデン氏の大統領選勝利を正式に認定した。選挙結果を覆そうとする2カ月にわたるトランプ大統領の挑戦に終止符が打たれた。6日にはトランプ大統領の支持者らが議事堂に乱入し、上下両院合同会議の審議が一時中断されたが、同日夜に再開されていた。  上下両院の議員らは昨年11月3日の選挙の結果に対する一連の異議を退け、2回の採決の結果、バイデン氏の勝利が認定された。支持者らの議事堂乱入を巡りトランプ氏とたもとを分かったペンス副大統領が、選挙人票306票を獲得したバイデン氏の勝利の認定を取り仕切った。 マルバニー北アイルランド特使も辞任-元大統領首席補佐官代行  トランプ大統領の首席補佐官代行を務めたミック・マルバニー氏は、現在の役職である北アイルランド特使を辞任すると表明した。同氏はブルームバーグ・ニュースに対し「辞任するのは、それが昨日起きたことへの非難を私が公式に表明できる唯一の手段だからだ」と述べた。トランプ氏の支持者による議会議事堂への乱入を受け、政権内では辞任の表明が相次いでいる。 トランプ氏、20日に秩序ある政権移行へ-側近スカビノ氏がツイート  トランプ米大統領は「1月20日には秩序ある政権移行が行われる」と言明した。ホワイトハウスのソーシャルメディア担当ディレクター、ダン・スカビノ氏が大統領の声明をツイートした。  トランプ氏は選挙結果には「全く」同意していないとあらためて表明し、「これは米国を再び偉大にする闘いの始まりにすぎない」とコメントした。 上院の議場に乱入した暴徒  審議再開に当たり、共和党のマコネル上院院内総務は本会議場で、「上院がおじけづくことはない。悪党や暴徒、脅しによって院内から締め出されはしない」とし、「彼らはわれわれの民主主義を混乱させようとしたが失敗した。われわれは2020年大統領選の勝者を認定する方針だ」と語った。  一方、上院議長でもあるペンス副大統領は乱入した暴徒らを批判。「われわれはここで起きた暴力行為を断固として非難する」と述べた上で、「きょう議事堂で破壊行為をした人々に言いたい。君たちに勝利はなかった。暴力が勝つことは決してない。勝つのは自由だ」と強調した。  民主党のシューマー上院院内総務は議事堂への乱入について、「米国の汚点であり、拭い去るのは容易ではないだろう」と厳しく非難した。 トランプ氏免職や弾劾の議論も  共和党の政策目標に通常は好意的な全米製造業者協会(NAM)はペンス氏に対し、米国憲法修正25条を発動してトランプ氏を免職することを「真剣に検討」するよう要請する声明を発表した。この条項では、大統領が職務を遂行できなくなったと判断された場合の免職手続きを定めている。  共和党有力上院議員の1人はホワイトハウスのシポローネ法律顧問に対し、トランプ氏が暴力をあおり立てるのをやめない場合、憲法修正25条を発動して同氏を免職することをペンス氏や閣僚らが検討すべきだとの考えを伝えた。事情に詳しい関係者が明らかにした。  また、共和党議員の一部はトランプ氏弾劾の可能性を協議した。弾劾で罷免となった場合、同氏が再び公職に就こうとしてもそれを妨げられる可能性があるが、こうした取り組みは現在のところ、真剣なものとはなっていない様子だ。 ポッティンガー大統領副補佐官も辞任  大統領副補佐官(国家安全保障担当)を務めるマット・ポッティンガー氏が6日辞任した。ホワイトハウスで国家安全保障を担当する同氏やロバート・オブライエン大統領補佐官のほか、クリス・リデル次席補佐官(政策調整担当)も辞任を検討していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにしていた。いずれもトランプ氏が抗議活動を促した結果、同氏の支持者らが議会議事堂に乱入したことが背景にあるという。 大統領夫人の首席補佐官が辞任  メラニア米大統領夫人の首席補佐官、ステファニー・グリシャム氏が同日辞任した。グリシャム氏は辞任について認めたものの、理由についての問いには答えなかった。政権交代前にホワイトハウスのスタッフが去るのは珍しいことではないが、関係者によると同氏は数カ月前から辞任を考えており、今回起きた激しい抗議行動が決定的要因となったという。 フェイスブックはトランプ氏の投稿24時間ストップ  フェイスブックはトランプ氏の投稿を24時間にわたり阻止すると、広報担当者が明らかにした。2件の規則違反を検証した結果という。同社によると、トランプ氏の投稿をブロックするのは今回が初めて。 ウォール街首脳、トランプ氏支持者の暴挙を非難  JPモルガン・チェースやブラックストーン・グループ、ブラックロックなどウォール街の大手金融機関の首脳らは、トランプ氏の支持者らが6日に連邦議会に乱入した事態を受け、デモ隊の暴力を相次ぎ非難した。 ダイモン氏らウォール街首脳、トランプ氏支持者の暴挙を非難 マコネル氏、認定再開促す  マコネル氏は上院議員らに認定作業に戻るよう促した。事情に詳しい関係者が明らかにした。マコネル氏はトランプ氏が後押しをしたデモに負けない力を示すよう議員らに求めた。 ペロシ下院議長「審議進める」   民主党のペロシ下院議長は同日、選挙人投票の結果認定について「国防総省、司法省、副大統領と電話で話し、議会議事堂が使用できる状態になり次第、今夜審議を進めることを決めた」と述べた。議員向けの書簡で「夜は長いかもしれないが、短めの審議を望んでいる。われわれの目的は達成されるだろう」との考えを示した。 議事堂「安全に」 議事堂「安全に」  当局者らは議事堂が「安全な状態」になったと宣言した。 アカウント12時間凍結  ツイッターはトランプ氏のアカウントを12時間凍結すると発表した。同氏の早い段階の投稿は削除された。今後、同社のルールに反することがあれば、同氏のアカウントの停止継続につながる可能性があるとしている。 下院議員「今晩作業継続」  民主党のクライバーン下院議員はツイッターで、「議会は今晩、選挙人投票の認定作業を継続するだろう」とコメントした。 女性1人が死亡  議会警察は6日夕、女性1人が死亡したことを明らかにした。 トランプ氏が再ツイート  トランプ氏はデモ隊が議事堂に乱入し議員らが退避した事態を受け、自身の支持者らに「この日を永遠に記憶せよ!」と呼び掛けた。首都ワシントン周辺では夜間外出禁止令が発令された。  同氏は今回の事態について、「神聖な地滑り的勝利が、長い間ひどく不当に扱われてきた素晴らしい愛国者らから非常に無礼かつ悪意に満ちた形で奪われたときに起こる出来事だ」とツイートした。 トランプ氏が動画でコメント  トランプ氏はデモ隊が議事堂を占拠してから2時間余り後にツイートした動画でも「われわれは選挙を奪われた」と主張。「しかし、あなたたちは今すぐ家に帰らなくてはならない。われわれは平静を保ち、法と秩序を維持しなければならない」と述べた。 混乱した状況続く  これより先、議員らはガスマスクを手に取り、議会の建物周辺では大きな音が複数回響くなど混沌(こんとん)とした状況が続いた。トランプ氏を支持するデモ隊は、トランプ氏が大統領選での敗北を「絶対に認めない」と語った後、議会議事堂で警察のバリアを倒した。一部の議会職員は爆破予告を受けて議会施設から避難するよう指示されていた。指示はその後、撤回された。 1人が銃で撃たれる-AP  議会の建物内では、流血して倒れた女性を助ける警察の姿が見られた。AP通信は1人が銃で撃たれたと伝えた。また、共和党全国委員会と民主党全国委員会の両事務所付近で2つの不審な荷物が報告された。 議員が退避  混乱を受け、議員らは下院本会議場から退避。ペンス副大統領は米東部時間午後2時(日本時間7日午前4時)すぎに議会議事堂から避難し、大統領選勝利認定を巡る審議は中断された。事情に詳しい関係者によると、カリフォルニア州選出の上院議員であるハリス次期副大統領は無事だという。  暴徒鎮圧用の装備に身を固めた警察は、催涙スプレーを使うなどしてデモ隊に対応。国土安全保障省の報道官によると、議会警察からの要請を受け、シークレットサービスと連邦警察が議事堂に急行した。  デモ隊が議会議事堂に乱入した後、トランプ氏はツイッターを通じて支持者に平静を保つよう呼び掛けたが、既に手遅れだった。  首都ワシントンではこの日、上下両院合同会議がバイデン氏の大統領選勝利を正式に認定する手続きを準備する中、トランプ氏を支持する数千人が集結していた。ジョージア州で5日行われた連邦議会上院2議席の決選投票で民主党候補の優勢が伝えられたことも、トランプ支持者の不満に拍車をかけた。 米民主党が6年ぶりに上院主導権を奪還-ジョージア州決選投票で勝利  トランプ氏が「ここにいるわれわれ全員は調子に乗った極左の民主党によって選挙が盗まれるのを見たくない。われわれは決してあきらめない」などと演説した後、群衆は議会議事堂に向かってペンシルベニア通りで行進を始めた

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