2020年10月26日月曜日

核禁条約、保有国は冷ややか 隔たり改めて浮き彫りに なぜ、日本が真っ先にやらないのかわからない?原爆落とされた式典は毎年やっているのに

 核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約の批准国・地域が24日、50に達し、発効に必要な条件を満たしたことに、条約の早期発効を求めてきた推進国は歓迎の声を上げた。一方、核保有国や「核の傘」の下にある国は冷ややかで、立場の隔たりを改めて示した。  条約採択で主導的な役割を果たしたオーストリアのクルツ首相は24日夜、「核兵器のない世界という私たちの目標に大きく一歩近づいた」とツイート。シャレンベルク外相もツイッターに「ついに最も破壊的な兵器が違法となる。歴史的な日だ」と書き込んだ。同国は発効から1年以内に予定される最初の締約国会議を首都ウィーンで開くよう提案している。  一方、核保有国は従来の立場を変えていない。  米国務省報道官は25日、朝日新聞の取材に「米国は軍縮を加速させる願望を多くの国と共有するが、核禁条約は解決にならない」とコメント。条約の推進国は「戦略的な誤りを犯している」と強調し、その理由として、条約は米国の抑止力を損なう▽現在の安全保障上の課題を考慮していない▽世界の(核)不拡散や軍縮の中心にある核不拡散条約(NPT)を損なう――などと指摘した。  ロシアも条約不参加を明言している。ラブロフ外相は昨年、「核のない世界という課題は共有する」としつつ、「核保有国の安全保障上の利益を考えず核兵器を放棄させるという考えは危険な幻想だ」と発言。核禁条約は「一方的でかなりごうまんな考えに基づいている」とも批判し、「完全な核廃棄は、核保有国の安全をも保障する包括的な軍縮という形でしか実現し得ない」と強調した。  英国では25日夕段階で、英紙ガーディアンなどが外電を紹介する形で報道した以外、目立った報道も閣僚らからのコメントもない。  中国の国連代表部は25日、「中国は核兵器の完全な禁止と廃絶を主張しており、核禁条約の目的と基本的に一致する。核兵器のない世界に向けて努力を続けていく」とツイートしたが、中国政府は「核軍縮は各国の安全を損なわないという原則の下、順を追って進める必要がある」として、やはり条約への不参加を表明している。  日本と同様、米国の「核の傘」に依存する韓国政府も25日夕現在、コメントを出しておらず、メディアの報道も低調だ。  聯合ニュースは、米ロ英仏中の5核保有国が条約に署名せず、核開発を続ける北朝鮮なども批准していないと言及。「条約に参加していない国には順守する義務がなく、実効性に欠けるとの指摘もある」と報じた。(ウィーン、ワシントン、モスクワ、ロンドン、北京、ソウル)

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