© 朝日新聞社 交通ターミナル「バスタ新宿」に向かう人たち。スーツケースを引く人の姿はまばらだった=2020年3月28日午前9時46分、東京・新宿、藤原伸雄撮影
「外出自粛要請」の週末が28日、首都圏一帯で始まった。不要不急の用事では出歩かないでという知事らの求めに、店の閉まった繁華街や観光地からは人波が消え、駅やバスターミナルでは移動に不安を抱く人たちの姿が。新型コロナウイルスの感染拡大は防げるのか。
■「まるで雪が降った日のよう」
東京・渋谷。
駅前のスクランブル交差点は午前11時を過ぎても、人通りは少なかった。いつもなら、信号を待つ間も肩が触れあう混雑ぶりだが、西口付近で新聞や雑誌の売店を約30年間営む男性(71)は「まるで雪が降った日のよう」と話した。
大型スクリーンには時折、感染防止対策を訴える小池百合子都知事の動画が流れる。若者が集まるSHIBUYA109や渋谷パルコなどの商業施設も臨時休館となった。
就職した長男(22)の引っ越しを手伝うために、北九州市から夫(54)、次男(14)と共に上京した女性(56)は「テレビで見る渋谷と全然違い、びっくり」。新型コロナウイルスの感染が広がる東京に来ることに心配もあったが、その中で新生活を始める長男のことのほうがもっと心配だという。「近所のスーパーの品ぞろえをチェックしたいし、この外出は『不要不急』じゃないと思っています」と話した。
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