2021年6月14日月曜日

 旅行、外食などの需要が蒸発して、いきなりお客や仕事がなくなったのだから、とりあえずお金を配って所得を維持し、生活できるようにするしか仕方がない。  1人10万円の給付金は、貯蓄に回ったから無駄だという意見が強いのだが、貯蓄に回ったのなら、政府が国債で調達したお金を国民に配り、国民が国債を持っているだけということである(国民は銀行預金として持っているが、貸出先のない銀行が国債を買っているので同じことである)。別に無駄になっているわけではない。また、これを食費や教育費に充てた国民もいるのだから、役に立っている。  14兆円の融資は、お金が返ってきたら支出ではない。お金を借りて事業を継続できたのだから役になっている。返してもらえなければ予算の無駄かもしれないが、生活や事業に行き詰まった人は、それでもしばらく食つなぐことができた。  考えてみると、17兆円の所得保障と14兆円の融資を、打撃を受けた30兆円の産業につぎ込んだら、とりあえずは困ることはないような気がする。他に、1人10万円の13兆円もある。それでも困っている人が多いのは、これらのお金の配り方に問題があるのではないだろうか。  医療費に12兆円というのも、そうするしかないということだろう。ただし、日本の国民医療費は年間43兆円(政府、健康保険、患者が医療費に使った額の合計、厚生労働省「国民医療費」2020年11月30日、最新年は2018年)なので、12兆円使って、コロナ専用病床を全病床161万のうちの3.5万床、2.2%しか作れないのはおかしくはないだろうか(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況、病床数等に関する調査結果(6月2日0時時点)」)。  もちろん、PCR検査とかワクチンとか医療体制を感染症のために動員することと直接関係のないお金も入っているのだが、それにしても、である。

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