2020年8月17日月曜日

米民主、郵政公社のコスト削減阻止へ圧力強める 大統領選念頭に [ワシントン 16日 ロイター] - 米野党・民主党は16日、郵政公社(USPS)のコスト削減に向けた動きについて、11月の大統領選で郵便投票が急増した場合の対応能力に悪影響が及ぶとして、阻止へ圧力を強めた。ペロシ下院議長は週内に議員を招集し、郵便業務の確保に関する法案を採決する構えだ。 新型コロナウイルス感染拡大で郵便投票の急増が見込まれる中、トランプ大統領はこれが不正につながるとの見方を繰り返し示している。 複数州の民主党系の司法長官はロイターに、選挙結果に影響を及ぼす恐れがあるUSPSの業務変更を阻止するため、実施可能な法的手段について協議を行っていると語った。 マサチューセッツ州のマウラ・ヒーリー司法長官はロイターの電話取材に対し「トランプ氏が選挙で勝つためにUSPSの機能低下を図るのは言語道断だ」と批判。バージニア、ペンシルベニア、ミネソタ、ノースカロライナ、ワシントンなどの司法長官と協議しているとした。 ノールカロライナ州のジョン・スタイン司法長官はいくつの州が協議に参加しているかは明かさず、ノースカロライナの州民は既に投票用紙を請求することが可能で、9月4日から発送される見通しだと述べた。 一方、ペロシ氏は16日、トランプ氏が「USPSを操ることで有権者から権利を奪い、選挙を妨害」しようとしているとし、USPSの業務を守るための法案について週内に下院で採決を行うと表明。 民主党の側近は、下院の採決は22日に行われる公算が大きいとし、今年1月1日時点のサービスの水準に変更を加えることを禁止する内容になると語った。 上院共和党トップのマコネル院内総務の広報担当者は上院の日程について新たに発表すべき事項はないと述べた。 ただ、共和党のスーザン・コリンズ上院議員はツイッターへの投稿で、USPSに最大250億ドルの新型コロナ関連支援を提供する法案を審議するため、今週、上院を再開すべきだと訴えた。 <民主はUSPS幹部の証言も要求> 議会民主党はまた、トランプ氏の献金者でもあるUSPSのデジョイ総裁などに下院監視・改革委員会が今月24日に開く公聴会で証言するよう求めた。 上院民主党トップのシューマー院内総務は、デジョイ氏が出席を拒否した場合はUSPSの理事会は同氏を解任すべきだとした。 デジョイ氏はコメントの求めに応じていない。 トランプ大統領は13日、郵便投票を促進するUSPSへの支援を盛り込んだ経済対策は阻止すると言明。しかしその後の記者会見では、USPS向け予算が盛り込まれた経済対策で合意した場合、拒否権を発動することはないとも述べた。 メドウズ大統領首席補佐官は16日にCNNの番組で、USPS向けに100億─250億ドルの新規資金を配分する可能性を排除しないと表明。 米国郵便労働者組合(APWU)のトップ、マーク・ディモンドシュタイン氏はFOXニュースの番組で、USPSの理事会は250億ドル以上の資金を求めていると指摘。新型コロナウイルスによる景気減速で緊急支援が必要になっているが、議会で3月に成立した景気刺激策では全く資金配分がなかったとした。「議会と現政権は民間部門に5000億ドル超の支援を行ったが、USPSには何もなかった。議会が行動すべき時が来た」と強調した。

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