米製薬企業モデルナが、開発する新型コロナウイルスのワクチンは発症を防ぐ効果が「94・5%あった」とする暫定結果を公表したことについて、世界保健機関(WHO)の主任科学者スーミャ・スワミナサン氏は「非常に心強い」と評価した。
スワミナサン氏はその上で、「最終的な効果と安全性がどうか、全体のデータの分析を待つ必要がある」と語った。特に、ワクチンの効果が続く期間や、高齢者など異なるグループへの影響、有害事象などについて、確認が必要だとした。
開発中のワクチンの効果をめぐっては、前向きな途中経過が相次いで発表され、米英では年内の接種開始の可能性も報じられている。スワミナサン氏は「少なくとも来年の前半までは、入手できる量は非常に限られるだろう。供給量は限られている」と語り、資金力のある先進国がすでに製薬会社と個別に大量購入する契約を結ぶなか、途上国の医療従事者ら感染リスクの高い人たちへのワクチン確保が引き続き課題であるとの認識を示した。(ロンドン=下司佳代子)
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