2021年4月16日金曜日

ミャンマー民主派、統一政府設立宣言 毎日新聞 - 毎日新聞 - 2021年4月16日

ミャンマーのアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)所属の議員らでつくる連邦議会代表委員会(CRPH)は16日、国家統一政府(NUG)を設立したと宣言した。少数民族武装勢力の賛同を得たほか、国民に人気の高い民主派の指導者も参加しており、今後、2月のクーデターにより実権を握っている軍政に対抗する影響力を持つかが焦点となる。  CRPHは3月31日、国軍の政治介入を認めている現行憲法を「廃止」し、これに代わる「連邦民主憲章」を採択したと発表。近く統一政府を樹立すると宣言していた。少数民族の武装勢力からは、全国停戦協定に署名した10勢力が統一政府の樹立に支持を表明していた。  設立が宣言されたNUGは16日、クーデター以降、国軍により拘束されているウィンミン氏を大統領、スーチー氏を国家顧問職に任命するなど、主要閣僚15人と副大臣12人を発表。副大統領にカチン族出身者、首相にカレン族出身者が入り、民族多様性への配慮をアピールした。クーデターへの抗議デモを主導するイティンザーマウン氏が女性、若者、子ども問題担当の副大臣に指名されるなど、複数の市民活動家もメンバーに入った。  これまでNLDと距離を取ってきた著名市民活動家のミンコーナイン氏もNUGへの支持を表明した。インターネット放送で「国民が望んでいたNUGの結成を宣言する。結成は容易ではなかったが、これは2020年の総選挙の信任と、ゼネストと、不服従運動に由来する」と言明。「NUGはミャンマーの歴史上、最も民族の多様性がある。クーデター以降、民族について議論を続け、理解を深め、共感し合うようになった」と意義を強調した。  ミンコーナイン氏は1988年に本格化した民主化学生運動の指導者で、アウンサンスーチー氏と並び国民から強い支持を受けている。クーデター以後、ソーシャルメディアで国軍への不服従運動を呼びかけてきた。  CRPHは、国軍側がクーデター後に結成した最高機関の連邦行政評議会を「不当に主権を奪ったテロ組織」と非難。これに対し、連邦行政評議会はCRPHを違法に行政機関をかたる組織だとして、最高刑が死刑となる反逆罪に該当すると主張している。【高木香奈】

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