東京都が3日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2539人でした。12日連続で前の週の同じ曜日を下回っています。
こうしたなか、専門家らで構成する新型コロナ対策分科会は3日、希望者に対するワクチン接種が行きわたるとされる11月以降の日常生活に関する提言をまとめました。
2日までに、全国で5割近くの人が2回目の接種を終えていますが、提言では、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を組み合わせる“ワクチン・検査パッケージ”を活用することを盛り込んでいます。このパッケージの活用で、県境を越える出張や旅行、大規模イベントの参加を可能とします。
緊急事態宣言下の自粛で苦しむ観光地からは期待の声が上がっています。
栃木県那須塩原市にある旅館では、宣言の影響もあり、夏の売り上げが大きく落ち込みました。
湯守田中屋・田中佑治専務:「2回ワクチン打たれた方とか、積極的に旅行されるのは非常に良いこと。我々の宿泊業でも、あすから職域接種が始まる。しっかりと受け入れる態勢が双方で取れた段階で、旅行の再開というのは、あってしかるべき」
分科会でまとめられた制限緩和に向けた提言ですが、参加した専門家の中には意見の食い違いもあったそうです。
政府分科会・尾身茂会長:「国民的な議論の第1回のキックオフということで、何か最終的なことが決定したというよりも、たたき台として、国民的な議論をしてもらいたいのが趣旨。行動制限の緩和、一気にある日、完全に解放なんてことはしないで、感染の状況、医療のひっ迫等々を見ながら徐々に段階的にやること」
慶応義塾大学・小林慶一郎教授:「今、ワクチンの効果がはっきりしない段階で『接種をしたら、こんなことができますよ』というイメージを国民の皆さんに語ると、皆の行動が緩んで感染が広がってしまうのではと心配する意見もある」
意見の相違があったせいか、まとまらなかったものもあります。
飲食店について、提言では“ワクチン・検査パッケージ”の活用は要検討とされました。
東京・新橋にある居酒屋『沖縄倶楽部源さん』では、夜の営業はせず、ランチのみの営業をしています。
沖縄倶楽部源さん・登川和久さん:「安心安全を守るために、ワクチン接種照明や陰性証明は必要だと思うが、お店の(席)数とか、人数の問題だと、こちらで選り好みしている状態ではない。売り上げは賄えないと予想。個人的な意見では(制限緩和は)もう少し延びるのではないかと」
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