2020年3月21日土曜日

「逆境にめげない」「複雑な心境」 被災地、聖火到着に期待と不安 2020/03/20 18:00 新型コロナウイルスの感染拡大で混乱が続く中、東日本大震災の被災地に20日、東京五輪の聖火が到着した。間もなく迎える聖火リレーに、被災地の関係者の間では期待と不安が交錯している。  福島県では、全国の先陣を切る形で26日から聖火リレーが始まる。聖火リレーのグランドスタートの舞台、Jヴィレッジ(同県楢葉町、広野町)の副社長、上田栄治さん(66)は「逆境にめげず、オリンピックをやるという機運を盛り上げることが大事」と力を込める。  日本サッカー協会理事で元なでしこジャパン監督でもある上田さんは「聖火リレーが(逆境が続く)スポーツ界にとっても『新型コロナウイルスに負けずにやっていくんだ』という始まりになれば」と期待を寄せ、「聖火リレーでは福島の人々、自然、復興状況などが映し出される。聖火が走ることで風評払拭につながる」と意義を強調した。  一方、宮城県では宮城スタジアム(同県利府町)で男女サッカーが計10試合行われる。県サッカー協会の竹鼻純専務理事(71)は聖火の到着に「いよいよだなという思い」と期待に胸を膨らませる一方で、新型コロナウイルスの感染が拡大している現状について「われわれの力が及ばないところなので、複雑な心境」と本音を明かした。  同県岩沼市で震災時に市長を務め、前回の1964年東京五輪に続き、今回も聖火ランナーとして同市内の被災地を走る井口経明さん(74)は「予定通り進められればいいのだが…」と不安を隠さない。  ただ、井口さんは震災に思いをはせ、「震災の風化が進む中、被災地の復興を世界にみてもらうことは意義深い。本番への機運を聖火リレーで高めたい」と意気込んだ

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