2021年2月21日日曜日

【独自】ベンチャーファンドの海外出資規制、特例で撤廃へ…投資マネー呼び込み狙う  読売新聞 - 読売新聞 - 2021年2月21日

 政府は、国内のベンチャーファンドの出資額について、50%以上を日本企業にするよう義務付けていた規制を特例で撤廃する方針を固めた。今夏の新制度導入を目指す。規制によって投資に慎重だった海外投資家からファンドを通じて、新興企業に資金が集まりやすくする。政府は脱炭素やデジタル化などの分野で国内新興企業の投資を拡大させ、経済成長につなげたい考えだ。  撤廃する「5割ルール」はファンドを規制する投資事業有限責任組合法(ファンド法)で定めている。政府は、経済産業相が認定したファンドは同法の規制対象外とする特例を設けるため、開会中の通常国会に産業競争力強化法改正案を提出した。  海外企業への出資制限が撤廃されることで、ファンドは海外投資家から資金を集めやすくなる。政府は規制撤廃でファンドにより多くの資金が集まり、国内新興企業への出資も拡大する効果を期待している。  ファンドは海外企業に50%超を出資する際、政府に申請する。海外勢が先行する分野などでは国内外の企業連携が欠かせないため、政府は海外出資でも国内企業の成長につながるよう相乗効果を促す。  ファンド法は1998年に施行された。その後、先進国の中央銀行の金融政策で緩和マネーが膨らんだが、日本は投資マネーの呼び込みが遅れている。ベンチャービジネスを調査するベンチャーエンタープライズセンターによると、2019年の国内ベンチャー投資は3000億円弱で、米国の14兆円や中国の2・4兆円に大きく引き離されている。  ◆ベンチャーファンド=資金調達が難しい新興企業に対し、複数の投資家から集めた資金を出資する組織。企業価値を高め、配当や株式の売却などで得た利益を投資家に分配する。企業が成長して多額の利益を得られることがある一方、事業が失敗する可能性も高い「ハイリスクハイリターン」のケースが多い。

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