2020年7月23日木曜日

NEWSポストセブン 【アメリカ発】北朝鮮の人権問題をトランプ政権が放置!? 2020/07/22 16:05 大統領選挙が北朝鮮の人権問題を覆い隠すのか(AFP=時事)  コロナ問題が一向に収まらず、秋の大統領選挙を前に得点がほしいトランプ大統領は、一発逆転の賭けで4度目の米朝首脳会談に臨むのではないかという観測がある。宗教・政治・国際情勢など幅広い分野で多数の著書・著作を持つMario Alexis Portella氏は、このままでは北朝鮮の人権問題が放置されると警告する。 In focus 新型コロナウイルス特集など、最新情報をモバイルで 詳しくはこちら PR Microsoft ニュース  * * *  11月の米大統領選挙を前に、韓国の文在寅大統領はトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長に再会談を呼び掛けているが、その一方で米朝関係は依然として「薄氷の上」にあることも認めた。アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、実質的な進展がない限り、次の首脳会談の可能性は低いと述べている。  昨年6月、トランプ大統領は北朝鮮の独裁的指導者に招かれて板門店に入り、北朝鮮で首脳会談した最初の米大統領となった。しかし、いまだに非核化は実現されていないため、それ以前の2回の首脳会談と同様に、この会談も批判された。そして、もしこの秋に2人が会うとしたら、また同じことになるだろう。金政権は米国が望むようにすべての核兵器を廃棄することには同意しないだろうから、軍備管理協定の方が現実的だ。  仮に軍備に関する協定が実現したとしても、もうひとつ、トランプ政権が言及していない重大な要素が人権問題だ。北朝鮮は世界から孤立し、金一族によって3代にわたって統治されてきた。国民は金正恩氏と金ファミリーに完全な忠誠を示す必要がある。北朝鮮は依然として世界で最も代表的な独裁国家の一つである。現政権は7年目を迎えたが、表現、集会、結社、宗教の自由を含むすべての市民権・政治的自由は政府により制限されている。また、組織的な政治的反対勢力、独立メディア、市民社会、労働組合も禁止されている。北朝鮮政府は、住民への恐怖と支配を維持するために、政治的反体制派の恣意的な逮捕、拷問、処刑を日常的に行っているとされる。この独裁政権は、女性、子供、障碍者など、危険にさらされている多くの人々の権利を保護することもできていない。  1972年、ニクソン大統領は電撃的に中国を訪問し、毛沢東主席と会談した。この歴史的会談の後、アメリカは中国と台湾という「2つの中国」を支持する立場を放棄して中国共産党を支持し、外交、貿易、ソ連との関係などを全面的に見直した。西側諸国の多くは、中国共産党が国民の人権問題を改善すると期待したが、振り返ってみると、それは経済帝国を生み出し、世界の隅々に組織的に根を張る手段を中国共産党に提供した。トランプ政権が北朝鮮の人権侵害に対処しなければ、同じことが起こるだろう。  トランプ氏が歴代大統領の誰よりも北朝鮮と関係を築いたのは事実だが、これまでのところ、朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨が返還されたことを除けば、手ぶらで交渉の場から出てきたように見える。しかし、「ハリー・J・カツィアニス国立研究センター」の朝鮮問題上級部長の報告によれば、ホワイトハウスは、最低1か所の重要な核生産施設の解体と、正式な核・ミサイル実験停止の誓約などと引き換えに、「独自の制裁緩和策」を提供する予定だという。  中国共産党の支援を受ける金政権には、自ら人権侵害を改める意思は見えない。金氏の唯一の目的は、核を維持して経済的利益を得ることだ。非核化と米国の要求に「従う」 ことは、米朝会談で得た国際的な影響力を失うことにつながる。金氏は、11月の大統領選挙で誰が当選しても、今のところ有利な立場にあることを知っている。  現状では、北朝鮮をまっとうな交渉のテーブルに戻すために十分な準備はできていない。金正恩氏の妹であり北朝鮮の重要人物となった金与正氏は、年内の米朝首脳会談は期待していないと強調する一方で、「どうなるかは誰もわからない」とも述べている。 (この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです) American Thinker :月間ユニークユーザー300万人を誇るアメリカの保守系ニュースサイト。各界の専門家やジャーナリスト・作家の寄稿を中心とし、エリート層の読者が多いことで知られる。

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