2016年1月29日金曜日

日銀追加緩和か

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日銀、追加緩和を議論へ 「脱デフレ」遅れに危機感
金融政策決定会合

2016/1/29 2:00
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 日銀は29日の金融政策決定会合で追加的な金融緩和の是非を議論する。原油価格の急落や中国経済の減速で先行きの不透明感が強まっているため、景気や物価に及ぼすリスクを見極める。日銀内には目標とする物価2%上昇の達成が難しくなるなら、より大胆な緩和策を決めるべきだとの意見がある。副作用も考慮し、確かな効果が得られるのか慎重に検討する。
 日銀が追加緩和を議論するのは、先行き不安の高まりが、ようやく見え始めたデフレ脱却の道筋を危うくしかねないためだ。物価が安定的にプラスになるためには、食料品など新年度入りに合わせた企業の価格政策や春の賃上げ交渉が重要と日銀はみている。追加緩和に踏み切れば、物価上昇に確信を持てない慎重な企業の背中を押せる。
 最近は原油価格の急落で生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)上昇率がゼロ近くに低迷し、企業や家計が「物価が上がりにくい」と感じ始めている。年明け以降の世界的な株安と円高も企業心理に影を落としており、政府・日銀が重視する賃上げや設備投資が進まなくなる恐れがあった。
 日銀自身も29日まとめる経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、これまで「2016年度後半ごろ」としていた物価2%目標の達成時期を、17年度以降に先送りせざるをえない状況だ。にわかに浮上した追加緩和論には、目標とする物価2%上昇に向けて日銀が強い決意を示すという意味合いもある。
 ただ、先行きの不透明感は中国などの海外に原因がある。欧州中央銀行(ECB)が3月の追加緩和を示唆したとはいえ、日銀が単独で追加緩和に踏み切っても、効果は限られるとの懐疑的な見方が行内にもある。
 日銀は現在の量的・質的金融緩和のもと、年80兆円のペースで国債を買い続けており、あと2~3年で市場の国債を買い尽くしてしまうとの指摘がある。これ以上の緩和拡大は限界を手前に引き寄せるだけだとの慎重論も消えていない。
 日銀はこうした賛否両論を慎重に検討したうえ、追加緩和に踏み切るべきかを決める。黒田東彦総裁が29日の会合で追加緩和を提案した場合でも、複数の委員が反対票を投じる構えだ。
 追加緩和の具体的な中身としては、年80兆円の国債購入額を90兆~100兆円に引き上げる案が有力だ。年3兆円の上場投資信託(ETF)の購入額を増やす案もある。緩和の限界説を取り払うため、銀行が日銀にお金を預けた際に受け取る金利(付利、現在は0.1%)をゼロ近くやマイナスに引き下げるなど、新しい枠組みを打ち出すとの見方もある。
 金融市場では日銀の追加緩和への期待が高まっている。日銀が緩和を見送った場合には、失望から円高・株安が進むリスクも指摘されている。


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